夏風邪|まきこどもクリニック|大阪府池田市の小児科・アレルギー科

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夏風邪

夏に流行する「夏風邪」にご注意ください 〜特徴・過ごし方・予防のポイント〜


主に6月〜8月の夏季に流行するウイルス感染症の総称を「夏風邪(なつかぜ)」と呼びます。

冬の風邪(インフルエンザなど)を起こすウイルスが「寒冷や乾燥」を好むのに対して、夏風邪の原因となるウイルスは「高温多湿」を好むのが特徴です。
主に「エンテロウイルス」や「アデノウイルス」が主流となります。子どもに多く見られますが、大人にも感染するため注意が必要です。

👾 代表的な3つの夏風邪

夏風邪は、原因となるウイルスの種類によっていくつかの疾患に分かれます。

  • ヘルパンギーナ(原因:エンテロウイルス属のコクサッキーウイルスA10など)
    突然の高熱と、喉の奥にできる水疱(水ぶくれ)が特徴です。稀にコクサッキーウイルスB群やエコーウイルスが原因になることもあります。
  • 手足口病(てあしくちびょう)(原因:エンテロウイルス属)
    手のひら、足の裏、口の中などに米粒大の水ぶくれや発疹ができます。ヘルパンギーナに比べると高熱になる割合は高くありません。主なウイルスはコクサッキーA16ですが、発疹が広範囲にひどくなるタイプのコクサッキーA6(CA6)や、合併症として無菌性髄膜炎(激しい頭痛や嘔吐)を起こしやすいエンテロウイルス71(EV71)などもあります。
  • 咽頭結膜熱/プール熱(原因:アデノウイルス)
    高熱、激しい喉の痛み、目の充血や目やにが主な症状です。

🤒 主な症状の特徴

夏風邪の代表格である「エンテロウイルス」は腸管(お腹)で増殖しやすく、もう一方の「アデノウイルス」は呼吸器・扁桃(へんとう)・眼で増殖しやすいという特徴があります。そのため、以下のような症状が現れます。

  • お腹の症状:腹痛、下痢、嘔吐などの胃腸炎症状を引き起こしやすいです。
  • 激しい喉の痛み:喉の奥に水ぶくれができるなど、強い痛みで食事が難しくなることがあります。
  • 皮膚や目の異常:ウイルスの種類により、手足のブツブツ(発疹)や、白目の強い充血(結膜炎)が現れます。

💊 対処法と治し方

夏風邪のウイルスに直接効く特効薬(抗ウイルス薬)はありません。ご自身の免疫力で自然に治るのを待つのが基本となります。

  • 基本は対症療法
    熱には解熱剤など、症状を緩和するお薬を使いながら、安静を保ちましょう。
  • 十分な水分・塩分・糖分の補給
    発熱、喉の痛みによる食欲低下、下痢などにより、夏場は特に脱水症状を起こしやすくなります。経口補水液などを活用し、こまめに水分を摂ることが最も重要です。
    小さなお子さんでは「糖分」の補給も大切です。下痢がひどくなければ、よく冷やしたリンゴ味のゼリーやプリンなどがおすすめです。口内炎がある場合は、オレンジなどの酸っぱい味は、刺激が強いため避けるのがよいでしょう。
  • 快適な室内環境づくり
    エアコンを26〜28℃に設定し、室内を快適な温度に保って体力を回復させましょう。

🚨 医療機関を受診する目安

以下のような症状がある場合は、無理をせずにかかりつけ医を受診してください。

  • 高熱が何日も続いている
  • 喉が痛くて水分が全く摂れない
  • ぐったりして元気がない、視線が合わない
  • 激しい頭痛や、何度も繰り返す嘔吐がある

🧼 予防のポイント

夏風邪の予防には、「石けんと流水による丁寧な手洗い」が不可欠です。家庭内での感染を防ぐため、タオルの共有も避けましょう。 

  • なぜアルコール消毒が効きにくいの?
    一般的なウイルス(インフルエンザや新型コロナなど)は、表面にアルコールで壊せる脂質の膜(エンベロープ)を持っています。しかし、エンテロウイルスやアデノウイルスにはこの膜がありません。そのため、一般的なアルコール消毒液が効きにくく、手についたウイルスを水で物理的に洗い流す手洗いが最も確実な予防法となります。
  • 消毒には次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)

家具、おもちゃ、床、ドアノブなどがウイルスに汚染された場合の対策です。

方法:家庭用の塩素系漂白剤(ハイターやブリーチなど)を希釈して拭き取ります。

    • 濃度目安:通常の拭き掃除は約0.02%(水1Lに市販の漂白剤5〜10mL)、
    • 注意:金属をサビさせるため、拭いた後は必ず水拭きをしてください。また、布地は色落ちすることがあります。

 

  • ウイルスごとの注意点
    • エンテロウイルス:便の中に長期間排出されるため、排便後やオムツ替え後の手洗いが特に大切です。
    • アデノウイルス:唾液や眼脂(めやに)の中にたくさん出ます。手洗いだけでなく、おもちゃやタオルの共用を避けることも大切です。