☆夏の細菌性食中毒について
食中毒は一年を通して発生しますが、夏と冬に発生のピークがあります。それぞれ原因となる病原体や症状が異なります。
〇食中毒が多い季節
夏(6~9月)は気温や湿度が高く、食品中で細菌が増えやすいため、細菌性食中毒が多くみられます。お弁当や作り置き料理、バーベキューなどでは特に注意が必要です。
一方、冬は細菌による食中毒は少なくなりますが、牡蠣の生食でうつるノロウイルスがあり、これは手についてうつることもあり小児ではウイルス性胃腸炎が流行します。
〇細菌性食中毒とは?
細菌性食中毒とは、細菌に汚染された食品や飲み物を食べることで起こる病気です。細菌が腸で炎症を起こすため、細菌性腸炎とも呼ばれます。
主な症状は、下痢、腹痛、発熱、吐き気、嘔吐です。原因となる細菌によっては、血便がみられることもあります。
〇主な原因菌
- キャンピロバクター
日本で最も多い細菌性食中毒の原因菌です。
原因となる食品
- 鶏肉(生や加熱不足)
- 鶏レバー
- 生肉から二次汚染した食品
食べてから2~7日して、発熱や腹痛、下痢などの症状が現れることが特徴です。
- 腸管出血性大腸菌(O157など)
ベロ毒素を産生する大腸菌によって起こる食中毒です。
原因となる食品
- 牛肉(加熱不足)
- 生野菜 など
激しい腹痛や血便が特徴で、小さなお子さんや高齢者では重症化することがあります。
食べてから3~5日で発症するといわれています。
小児では貧血と腎不全が同時に起こる溶血性尿毒症症候群(HUSといいます)が一番困る合併症です。
- サルモネラ
原因となる食品
- 卵
- 鶏肉
高熱、下痢、嘔吐を起こしやすく、夏に多くみられます。他の細菌と違って
食べてから半日~1日で発症します。
〇家庭でできる予防
食中毒予防の基本は、**「つけない・増やさない・やっつける」**の3つです。
① つけない
・調理前や食事前には、石けんでしっかり手を洗いましょう。
・生肉を切った包丁やまな板は、野菜や果物とは分けて使用しましょう。
② 増やさない
・食品は購入後できるだけ早く冷蔵庫へ入れましょう。
・調理した料理は早めに食べましょう。
・夏場は食品を長時間常温で放置しないようにしましょう。
③ やっつける
・肉や鶏肉は中心まで十分に加熱しましょう。
・生焼けの肉は食べないようにしましょう。
〇このようなときは早めに受診しましょう
次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
・血便が出た
・38.5℃以上の高熱が続く
・激しい腹痛がある
・水分が取れない
・何度も下痢や嘔吐を繰り返す
・尿の量が少ない、ぐったりしている
特に、乳幼児、高齢者、妊娠中の方、持病のある方は重症化しやすいため、早めの受診が大切です。
★ワンポイントアドバイス
「食中毒かな?」と思ったら、自己判断で下痢止めを服用せず、水分補給を心がけましょう。症状が強い場合や改善しない場合は、早めに医療機関を受診してください。
〇おわりに
細菌性食中毒の多くは、日頃の予防で防ぐことができます。
「手洗い」「十分な加熱」「適切な保存」を心がけ、食中毒を予防し、安全に夏を過ごしましょう。